使者の黙示録
しかし、やはり不安要素をそのままにしては置けない。

シスター・マヤの暗い表情を、どうにかしなければならない。


マザー・アミコは、シスター・マヤにもっと明るい顔でアーケードを歩くように注意する。

自分たちは、一般の方々の尊い寄付のおかげで、生活しているのだと説明すると

それならば、自分たちが健やかに育っていることを、笑顔で証明しなければならないと

マザー・アミコは、もっともらしく言い聞かす。


現実は、シスターたちは教団の闇の仕事で得た収入で育っているのだが

少女たちは、そんな事などまったく知るはずもなかった。

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