使者の黙示録
ボディーガードの男たちは、団司から放たれる威圧感に苦しみながらも

決して団司から目を離さず、警戒していたはずだった。


(こ、この男はっ)

(いったい、何者なんだ!)


胸に渦巻く不安が、得体の知れない恐怖に変わる。

彼らは、自分の身に何が起きているのか、よく理解できないまま

さらなる変事に引きずり込まれる予感がぬぐえない。


身体中から、イヤな汗が流れる。


団司が、ただ者ではないことは確かだが

ボディーガードたちは、そんな団司に対して不意に気がついたことがあった。


(この男に、敵意は感じない)

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