狼様の愛のカタチ理論【番外編】
扇李は私と二人でいたいから…子供はいらないのかな?
言葉を発しない私に扇李はさらに言葉を続けた
「だから、結論から言えば我はまだ子供はいらぬ」
「…うん」
「焦る気持ちはわかるが、焦って一人で不安になっても仕方がない。我の気持ちは変わらない、だからそんなことは二度と不安になるな」
"いいな?"と背中を撫でられながら囁かれ、私は小さく頷く
「分かった…ごめんね、扇李」
「謝るな、沙優は悪くない。子供のことはそのうちだ。今は二人でいたい…そう思うのは悪いことか?」
直球過ぎる扇李の台詞に再び顔があつくなり、それを隠すように彼の胸元に顔を埋めると扇李は満足したように瞳を閉じる
「わる、く…なんか」
ないよ。むしろ、それは嬉しい…それだけ私を大切にしてくれてるんだもん
「だろう?だから、我慢しろ」
「は…ぃ」
上手く言葉巧みに丸め込まれた気もするけど、扇李の甘い台詞に満たされたのか、子供のことに対する不安が消えていき…
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