狼様の愛のカタチ理論【番外編】
――――――…
――――…
コン、コン、コン―…
数分後、扇李の書斎の前に着きドアを叩くと
「…はい、どうぞ」
部屋の中から声が聞こえ、ゆっくりとドアを開けると大量の本を手にしたサイさんがいた
「あれ…沙優様?」
「あ…どうも」
私の姿を見るなり、驚いたような顔をして本をテーブルに置く
「あ…め、珍しいですね、沙優様がここに来られるのは」
「あ、はい…」
「何か…扇李に大切な用事ですか?」
そう言われ、私は首を振りながら資料をサイさんに差し出す
「いえ…大切と言えばそうですけど…これを、扇李に届けるように言われたんです…でも…あの、扇李はいないんですか?」
周りを見渡しても扇李の姿は何処にもなく、私の言葉に苦笑いをしながらサイさんはそれを受け取った
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