狼様の愛のカタチ理論【番外編】
まるで、良かった…と言われてるような鳴き声に微笑めばその視線が私の持つ資料に注がれた
「ん?あ、これ」
「…」
「扇李に届け物、頼まれたんだ」
狼さんに資料を見せればおもむろに傘を口で加え建物に入りチラリと私をみる
え…
「狼さん?」
もしかして、一緒に行ってくれるの?
思いがけない行動に慌てて狼さんの隣りに並ぶと私の歩調に合わせるように歩き出す
やっぱり、一緒に来てくれるんだ…しかも私に合わせて歩いてくれるなんて
やっぱり、狼さんは優しい…そして…暖かくて
ついニヤリと笑うと、狼さんと目があってしまい…ドキッと胸がなる
「…あ」
ちょっ…私ってば、なに狼さんにドキドキしてるの?
私には扇李がいるのに…!
慌てて視線を反らすけど、なぜだか胸のドキドキは止まらなく
それからは黙ったまま、狼さんと扇李の書斎に向かったのだった――…
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