狼様の愛のカタチ理論【番外編】
ドンッ―…
振り返った瞬間に、勢いよく誰かにぶつかり
その主に、そこにいた私を含め皆が固まる
「…あ」
せ、扇李…?い、いつの間に?
鋭い目付きで老役達をみつめ、唖然とする私の肩を勢いよく抱き…
「…っ」
ギュと、扇李に抱きしめられてしまった―…
「え…ちょ…」
いきなり、何をするの?こんなことをしたらまずいよ…
そう思い離れようとしても、力強く抱きしめられ身動きがとれなくて…必死になる私を無視して彼が口を開く
「お前ら、随分と楽しい話しをしているな」
「せ、扇李…」
明らかに怒りを含んだ声に、ゴクリと息を飲む音がする
「我も混ぜて貰おうか」
「い、いえ…そんな」
「出来ないのか?我の話しなのだろう」
「それは…っ」
言葉を濁す彼らにチッと舌打ちをすると私を離してそのまま手を握られる
「次、もしも今みたいな事を話したら…分かっているな?」
「も、申し訳ありません…扇李!」
「そんな上部だけの言葉などいらぬ、必要以上に沙優に話をかけるな」
「は、はい…」
土下座をしそうな勢いで頭をさげ、そんな彼らをみて扇李は黙っまま私の手を引きながら歩きだす
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