狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「あぁ、沙優…それはもしかしたら」
「は、はい?」
な、なに?ドキンと胸がなり院長様の言葉を待っていると―…
そのまま私の瞳を見つめ、何か企むようにクスリと笑う
「あー…ふふ…これは、私は言わないほうがいいみたいね」
「…へ?」
な、なにそれ!
拍子抜けするようなセリフに肩の力を抜くと、院長様はおもむろに席から立ち上がる
「さて、私はそろそろ戻ろうかしら」
「……あ」
え…もう、戻っちゃうの?
さっきの事も気になるけど、それを聞くのをぐっと我慢して私も立ち上がる
「そんな、久しぶりですから…もう少しいても…」
「ありがとう、でも…いい事を知っちゃったし…帰って報告もしたいの。それに、施設の子供達が待ってるしね?」
「あっ…そう…ですか」
そうだよね、院長様は忙しいんだもの
相変わらず、院長様は人間界で子供達とくらしてる
だから、私なんかの我が儘を聞いてもらうわけにはいかないか…
「分かりました、じゃあ…出口まで送ります」
「ありがとう、沙優」
椅子を元に戻して出口に向かうと、扉に待機していた使いの女性が静かに私に近寄る
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