狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「沙優様、身体が冷えないようにこれを着てお見送りに」
「え?」
そう言われ差し出されたのは、ベージュのブランケットだ
「あ、いえ。外に出るわけじゃないですから…」
「いえ、外はいまだに雨が降っていますし、出口の門までは外になります。主からも、沙優様の体調に気を使うように言われていますので」
「………」
扇李ってば…また、そんなことを
「ふふ、相変わらず大切にされてるじゃない」
「それは…嬉しいですけど…最近は少し過保護過ぎですよ」
いくら遠慮しないとは言え、そんなことも言っていたなんて…もうっ
「分かりました。ありがとうございます」
仕方ない、私がもしこれを受け取らなくて体調崩したら彼女が怒られる
それは可哀想で…しぶしぶブランケットを受け取り肩にかけると、彼女はにこりと微笑み扉を開けた
「でわ、片付けはわたくしがしますので、お見送り…いってらっしゃいませ」
「…はい」
頭を下げる彼女に私も軽く頭を下げて、宮殿の出口に向かった
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