恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
それから車に乗り、15分くらいで目的地についた。
近くにあったパーキングエリアに車を停めて、ユリに案内されて歩いた。
怪しげなビルとビルの間を通る。
こんなところを通るのか?
先に進むと、こじんまりとカフェがあった。
『ChouChou'Cafe』?
――――カランカラン
ユリが扉を開けると耳に心地好い音がなった。
「いらっしゃっ………」
多分ここのマスターだろう。
俺達を見ると、固まった。
俺達……というかユリか?
「おじさん、久しぶり!」
「ユリちゃん!!」
マスターの顔からは嬉しさが出ていた。
「どうしたんだい?!
一ヶ月も来なかったから、心配してたんだ」
「ごめんね、おじさん。
ちょっと引っ越したから、ここに来れなくて………」
ユリはカウンターの席に着きながら答えた。
俺もユリの隣に座った。