恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「そうか……
ならよかった……」
マスターはユリが言った言葉に安堵した。
「ところで、そちらさんは?」
俺を見ながらそう言った。
「この人は翡翠っていうの。
わたしをいろいろ助けてくれた人!」
ユリは簡単に俺を紹介した。
助けてくれた人か………
ユリがそう思ってくれてるのは、嬉しい。
「彼氏じゃないのかい?」
「ち、違うよ!
翡翠はそんなんじゃない」
ユリはなんて答えるのかとちょっと気になったけど、やっぱり否定した。
そんなに否定しなくても………
軽くショック。
「はっはっは、そうかいそうかい。
はい、これ出来たよ」
マスターは笑ってユリにサンドイッチとココアを出した。
何も注文してないのに。
ユリが常連だったことが伺える。