雨宿り



「よし、いいだろう。ちゃんと前向いて授業聞いてろ」

「はい『はい』」

席に戻って…

――



やっぱり外見てる。

おかしい。

何があったんや?

5時間目が終わって6時間目までの間に

「美桜、さっきはごめんな」

まず、謝っとこ。

「ううん、かまへん」

「なぁ」

「うん?」

次の用意をしながら俺の方を見る。

「なんかあったんか?」

「えっ」

「何かぼけーとしとるやん」

「ぼけーって…失礼やな。別に何もないよ」

「外ばっかり見てるやん」

美桜が、ニヤッと笑い

「寂しい?」

へっ?

「渉を見んと外見てるのが」

俺…真っ赤になった。

「ちゃうちゃう。何か悩みとかあるんかなって思っただけや」

「悩みかぁ、悩みねぇ。あるよ」

やっぱり

「何?」

「フフン な、い、しょ」

キンコーンカンコーン

6時間目始まりのチャイムが

チャイムと共に先生が入って来たから話しは中断した。

やっぱり…外見てる。


< 108 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop