雨宿り
「よし、いいだろう。ちゃんと前向いて授業聞いてろ」
「はい『はい』」
席に戻って…
――
―
やっぱり外見てる。
おかしい。
何があったんや?
5時間目が終わって6時間目までの間に
「美桜、さっきはごめんな」
まず、謝っとこ。
「ううん、かまへん」
「なぁ」
「うん?」
次の用意をしながら俺の方を見る。
「なんかあったんか?」
「えっ」
「何かぼけーとしとるやん」
「ぼけーって…失礼やな。別に何もないよ」
「外ばっかり見てるやん」
美桜が、ニヤッと笑い
「寂しい?」
へっ?
「渉を見んと外見てるのが」
俺…真っ赤になった。
「ちゃうちゃう。何か悩みとかあるんかなって思っただけや」
「悩みかぁ、悩みねぇ。あるよ」
やっぱり
「何?」
「フフン な、い、しょ」
キンコーンカンコーン
6時間目始まりのチャイムが
チャイムと共に先生が入って来たから話しは中断した。
やっぱり…外見てる。