雨宿り



授業が終わって

「美桜、図書室行くか」

「あ、うん。先行ってて。私掃除当番やし」

「了解」

先に図書室行って宿題にかかる。

30分程した時

「お待たせ」

美桜が来た。

「宿題済んだ?」

「もう少し」

「うん。じゃあ私もするか」

教科書とノートを取り出して宿題を始める。

いつもと変わらん美桜や。

そやけど、さっき悩みあるって言うてたな。

何やろ。

やっぱり聞き出そ。

宿題済むのを待って

「なぁ」

「うん?」

教科書やらを片付けながら

「悩みって何やねん?」

「へっ?」

美桜が不思議そうに俺を見る。

「何んの話し?」

「さっきお前、悩みある言うてたやん。俺じゃ役に立たへんやろうけど話しくらい聞くで。誰かに聞いてもろたら楽になるんちゃうか」

「……」

「美桜」

フワッと優しい笑顔を浮かべ

「ありがとう。そやけど」

「そやけど 何やねん」

「ほんまに悩みなんて無いって」

へっ?

「内緒って言うたやん」



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