雨宿り
「……」
「美桜?」
「…ぜ、ぜんぶ」
「へっ?」
「渉の全部が大好きや」
俺にギュッとしがみついた。
「俺の全部か?」
「うん。優しいて大きいて男らし いて、そやけどヤキモチ妬きで可愛いて…何や知らんけど私の事を『好きや』言うてくれて…私の全てを受け入れてくれる渉が好きや」
「……」
言葉が…出えへん。
胸一杯で…
美桜が愛おしくて…
俺…
今、声出したら…泣きそうや。
美桜…
俺もお前の全てが好きやで。
ありのままの俺を受け入れてくれるお前が…
――
―