雨宿り

【其の二】




美桜が泣き出した。

お袋が台所に必要な物を出しといてくれたのが嬉しい言うて。

男の俺にはよう分からんけど、お袋の好意に感動して泣くやなんて…

俺、嬉しい。

あんまり可愛いさかいキスをした。

一回だけやなく何度も何度も…キスをした。

――



「ご、ご飯作るわ」

「うん」

俺から離れて美桜は髪を束ねエプ ロンをする。

美桜…

エプロン姿の美桜って…い、色っぽ い。

あかん。

お、俺…赤なってるかも。

「どうしたん?座って待ってて」

「手伝おか?」

「ううん大丈夫。ゆっくりしてて、 な」

ニコッと笑顔。

か、可愛い過ぎる。

俺、また鼻血出そう。

< 126 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop