雨宿り
「美桜」
「うん?」
「ちょっと聞いてほしい事あんねん」
「何?」
美桜が怪訝そうな顔で…
やっぱり言うとかなあかん。
「あんな」
「ぅ、うん」
「俺な、昨日お前があの男と楽しそうに笑ってんの見て…めっちゃ腹立った。てか、何か胸が苦しかったんや」
「えっ?」
「俺な、お前が知らん男に笑顔見せんのんが堪らんねん。俺、凄いヤキモチ妬きやと思うわ。ほんでお前に八つ当たりなんかして…最低やな、俺っ て」
「そ、そんな事ない。私かてさっき小姉が渉にべたべたしてるの見たら何や腹立って悲しいてわけ分からん気持ちになってしもて…お姉ちゃんにヤキモチ妬いてんねんで。これが他の女の子やったら…渉、私な、どうしようもない程ヤキモチ妬きやねん。嫌やろ、こんな重たい女?」
美桜は俯いてしまった。
「嫌なわけないやん。俺かて一緒や。いつか嫌われるんちゃうかなとか思う時あるし」
はぁ~
溜め息。