雨宿り
「渉君、渉君じゃないか?」
へっ?
本屋からの帰り道、後ろから声掛けられた。
誰や?
振り返ると
「あっ、江上先生」
美桜の上のお姉さん、薔子さんのフィアンセさんや。
「こんばんは。先日はご馳走様でした」
「いやぁ、今帰りか?」
「はい」
「ちょっと時間ある? お茶付き合ってくれない?」
お茶?
「あ、はい」
カフェに入り、コーヒーを注文。
江上先生が、俺を見て面白そうに
「また美桜ちゃんと試験で対決するんだって?」
へっ?
「薔子さんが言ってた」
「あ、…そうですか」
みんなにばれてるんか?恥ずかしいなぁ。
「美桜ちゃんが猛勉強してるって」
「は、はぁ」
俺もやらなヤバイかも。
「渉君」
「はい?」
江上先生、コーヒー飲む姿もカッコええなぁ。
同じ男として憧れるわ。