雨宿り
「美桜」
出た!
「渉君、誘った?」
小姉…絶対、面白がってる。
自分は彼氏とかの事は秘密主義なくせして。
「誘ったよ。来てくれるって」
小姉が満面の笑顔で
「よかったな。楽しなるわ」
小姉…楽しなるを面白なるに変換した方がいいんじゃないですか?
私のそんな気持ちを読み取ったのか
「心配しなくても、渉君やったらお父 さん達、気に入るって」
気になるのは、お父さん達違って小姉…貴女です!
「小姉」
「うん?」
「小姉は、誰か誘わへんのん?」
「う~ん 薔子姉やあんたみたいに恋人って呼べる人はいてへんしなぁ」
「ほんまにいてへんのん?」
疑いの眼差しで見ると
「ほんまにいてへんて。何ちゅうかな、帯に短し襷に長しって感じ?」
感じ?って聞かれても…
「フフフ…」
な、何 その笑いは?
「渉君、貸してくれとは言わへんから」
「あ、当たり前やん」
ほんまにこの人は冗談でも冗談に聞こえへんやん。
「ハハハ…渉君は、あんたにべた惚れやし私の魅力に気が付かへん」
小姉~