雨宿り
あっ、学年と名前聞くの忘れた。
それから、二、三年生の教室辺りをうろついて、あの人を捜したけど見つ からへん。
何処におんねん。
それとも…あれは夢やったんやろか…ってちゃう。
家にはあの時の傘があるし。
5月の連休明け
一年のバレーボール大会で
――
―
み、見つけた。
あの人や!
い、一年生?
ど、同級生やったんか!
そら、上級生のとこ行っても分からんはずやな。
俺のクラスが1ーA
あの人は1ーD
上の教室やったんか。
それから…
知り合うきっかけ探したんやけど接点がない。
あの人、あんなに綺麗やし彼氏とかいるかもなぁ。
それに比べて俺は…
小さいし、顔もおぼこいし…
決めた!
あの人に相応しい男になろ。
聞いたところによると、頭がええらしい。
よし!
背を伸ばす為に牛乳をがぶ飲みし、 カルシウム取る為にジャコを食べ、運動をした。(まっ、元々運動神経はええからな)
勉強もあの人に釣り合うよう頑張ろ。
おかげで成績もアップした。
身長も一年で10㌢以上伸びた。
髪も少しだけ茶髪に…
でも、やっぱり接点は無い。
関係ない女子にはモテるようになったけど…正直うざいだけや。
振り向いて欲しいのは、あの人だけ。