雨宿り
「美桜、美桜やないか?」
へっ、誰や?
委員長が声のする方を見て
「裕?…裕!わ~久しぶり~」
裕?
誰や?コイツ…
男の俺から見ても男前やんけ。
背も俺より高いし。
「帰ってたん?」
「あぁ、墓参りにな。お盆やから」
「裕、背また伸びたね~会う度、大きなってるやん」
「ハハハ…バケモンみたいに言わんとい て!美桜、そこのイケメンさん…美桜の彼氏?」
俺に視線をピシッと合わせてる。
「えっーと、あの、その…う、うん。 は、恥ずかしいやん。何言わすのん」
「ハハハ…照れてる。美桜の彼氏さん」
「へっ?」
しまった!
急に声掛けられたからマヌケな返事してもうた。
コイツ笑てるし。
「美桜の事、大事にしてやって下さい」
頭を下げられた。
へっ?
こ、コイツ美桜の何なん?
何で、コイツに美桜の事を頼まれなあかんねん。
「じゃあ、俺 行くわ」
「うん、またね。帰るまでに寄ってよ」
「うん、じゃあな。イケメンの彼氏さんサイナラ」
手を振って消えて行った。
美桜も手を振り続けてる。