赤い下着の主

 玉置は一瞬きょとんとした表情を見せた後、ハハッと不敵に笑った。

「ご忠告ありがとう」

 だけど再び階段の方に足を進め、

「スカートの中を見られるような降り方はしないから、安心して」

 と、クールに去って行った。

 噂通りのクールビューティー。

 他の若い女教師とは違って、寸分の隙もない。

 凛とした後姿を見送った頃には、優の手は汗と6月の湿気でしっとりとしていた。



 これが二人の始まりである。

< 11 / 350 >

この作品をシェア

pagetop