赤い下着の主
ふと玉置を見下ろせば、再びメガネ越しに射抜かれる。
これでメガネがなかったら、またあの時みたいに我を失っていたかもしれない。
優は慌てて視線を前に戻した。
「梶原君は? ご家族とどこかに行ったりしないの?」
「うちは毎年スキー旅行ですよ。冬はスキー一家なんで」
「ふーん。スキーやるんだ」
「俺と姉貴はスノボですけどね」
ゲレンデでは女の子が可愛く見えると言われるけれど、玉置はきっと誰よりも可愛いだろう。
そんなことをぼんやり思いながら、あのLEDの分かれ道で
「じゃあね」
と別れた。
何気ない冬休みトークだった。
そして高校生活においては、これが玉置との最後の会話だった。