赤い下着の主

 そして迎えた卒業式。

 式典は広い講堂で行われた。

 教師陣の中に、いつもとは違うベージュ色のスーツに身を包んだ玉置を発見するも、接近することはなかった。

 このクラスの面々はみな同じ大学へ進むのに、女子たちがシクシク泣いているのが印象的だった。

 学部は違っても、キャンパスで会うことはあるだろうに。

 中学からこの校舎で過ごしてきた6年間を思うと感慨深いものはある。

 着慣れた高等部の制服には、もう袖を通すことはない。

 そう思って友人たちと写真を撮りまくる。

 卒業式は、悲しいというよりは楽しく盛り上がった。

 そんな時だった。

「なぁ、ミナミちゃんの写真撮りに行こうぜ」

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