赤い下着の主
しかし、今日はこの香りを嗅ぎたい気分だった。
街角で見覚えのあるピンクと黒のチェック柄コートの女を見かけたからだ。
もちろんそのコートの主は優が期待していた人物ではなかったし、同じようなことが何度もあったから特段落ち込むこともなかった。
ただあれからもう何年も経っているというのに、未だに面影を求めては目で追ってしまう自分が男として情けなかった。
香りに包まれると思い出す、とある美女とのひと時。
ベッドの上にいるのは自分一人なのに、目を閉じていると隣に彼女がいるような気分になる。