赤い下着の主

 まずは唇を、そして耳を、首を。

 触れて舐めて滑らせて。

 身を捩った隙に脚の間に割り込ませ、恥じらい吐息を漏らす玉置を楽しんで。

 何もこれが初めてではない。

 ガキだと思わせるな。

 舐めてもナメられるな。

 緊張から来る震えだって、絶対に悟られちゃいけない。

 ボタンを外すのも、ホックを外すのも、決して失敗してはいけない。

 玉置の肌は優が過去に抱いたどの女とも違う感触がした。

 しっとりして、もっちりして、滑らかという言葉がぴったりだった。

 そして決して見るはずのなかった服の中身は、いつか見た赤い下着だった。

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