僕の大切な人




「兄貴、志穂と会う日決まった?」

「来週末な」

「了解」

「拓海って厄介な女に目を付けられるよな」

「うるさい」


拓海は厄介な女に目をつけられやすいくせに
その事に関して、自覚がない
まったく困ったもんだ

拓海の初カノは拓海の事を
本命君と付き合うまでの繋ぎであり
自分を飾るアクセサリーでもあったんだろう
その彼女の別れた本当の理由を知ってからは
利害が一致する遊びの女とだけ関係を持った

こっちに戻って来てからは
それに輪をかけて誘われていたようだったが
拓海は、誰一人見向きもしなかったようだ
その時すでに蓮くんの存在があったんだな

そんな事、考えてたらいつの間にか
拓海の姿が消えていた
蓮君に早く会いたくて帰ったんだろうな

何事もなく終わればいいんだが
そう簡単にはいかないだろうな

彼女が…長い年月思いを募らせていたとは
昔の拓海ならいざ知らず
今の拓海は蓮君の事になると
俺でさえ怖いと思ってしまうくらいだからな
本当に、どうしたものか



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