憧れの彼と恋する方法

海人君は、なんで?という表情で私を見上げている。


分かってる。

好きな相手の背中を押してどうするんだ!って

そう言いたいんでしょ?


だけど、仕方ないんだよ。

私じゃ、どう頑張っても無理。

竜司君は沙羅ちゃんの事が好きなんだし…。


だったら竜司君が幸せになれるように応援してあげる事しかできないじゃん。



「だけど、折角の誕生日会なのに…」


竜司くんが困ったような顔で下を向いた。


「いいから!これはお姉ちゃんの命令だよ!早く行って!」


その言葉に竜司君は立ち上がり、私に頭を下げて家を飛び出した。

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