憧れの彼と恋する方法

撮影が再開されると、私はいつもの様にスタジオの隅に立った。


カット毎に舞美のメイクを直す為、撮影中は常に側で見ていなくてはいけない。

しかも今は竜司君と舞美のシーン。

こんな近くで見れるなんて、それだけで私はじゅうぶん幸せなんだ。



早朝からハードな撮影が続けられ、舞美の今日の撮影が終了したのは23時。


「お疲れ様でした」


周りの人に挨拶をしながら、舞美が私の方へと近づいてきた。


「今日は終わりだね、なんかお腹空いちゃったからご飯でも食べない?」


「お~、いいね!」


なんて事ない舞美のこの発言が、まさかあんな奇跡を起こす事になるなんて…。



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