憧れの彼と恋する方法

電話を切った後も、竜司君の言葉が信じられなかった。

食事に誘ってくれるなんて、考えもしなかったから。


でも分かってる。

仕事上の付き合いで、相談相手だから私を誘っただけだって。

間違っても私を女として見てるかも…、なんて馬鹿な考えは浮かばない。


だけど、やっぱり嬉しいよ。

好きな人に誘われて、嬉しくないわけない。


ただの相談だとしても、仕事上の付き合いだったとしても、竜司君と一緒の時間を過ごせるなんて。


ベランダに出て、嬉しいって力いっぱい叫びたいくらい。


あれだけ眠かったのに、今度は眠れなくなってしまった。


明日の事を考えると、眠れない…。


ドキドキドキドキ高鳴る心臓の鼓動をどうにか抑えようと、お気に入りの抱き枕を力一杯抱き締めた。

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