憧れの彼と恋する方法
20時40分、この日の舞美の撮影は終了。
控え室で私はメイク道具を片付けていた。
「何?なんか急いでる?」
着替えながら舞美がそう言った。
「ちょっと、用事があって」
舞美は怪しいな~という目でジッと私を見ている。
「何よその目は!別にたいした用事じゃないよ」
誤魔化すようにそう言うと、ズボンのポケットに入れていた携帯が震えた。
舞美に背を向けて携帯をそっと開く。
『件:お疲れ様です
本文:撮影順調に終わりました?
もう少しでそっちのスタジオの駐車場に着きます』
来た…。
とうとう来た…。