眠り姫はひだまりで
「ったく、誰が告っても落ちないっつーから、近づいてやったのに…。お前のせいで、俺の評判ガタ落ちだよ」
………え?
どういう、こと?
「お前を落とせなかった男っつう、その辺の野郎と同じになる。今まで俺が落とせなかった女なんていなかったのに…」
またチッと舌打ちする。
そんな…
確かに私は、誰からの告白もオッケーは出したことがない。
じゃあ、先輩は初めから落とす対象として、私に近づいたの?
好きって言ったのも、嘘。
なに、それ……
先輩は私から離れると、私の顔を一瞥して、言った。
「…そーだよ。お前は顔だよ」
冷たい目で。
「…………え?」
先輩は、私をあざ笑うように言った。
「お前は所詮顔しか価値ないんだよ。誰がお前の顔以外見る男が居るんだよ」
そう言って、先輩は立ち去っていった。
「……………………」
ぺたんと、その場に座り込む。
……先輩って、あんな人だったの……?
「…………っ……………」
なにそれ。真剣に考えてた私が馬鹿みたいじゃんか………