眠り姫はひだまりで
「………………っひっく」
先輩の最後の言葉が頭をリピートして、やまない。
泣くな、私…。
そう思っても、涙は出た。
「…………っミオ…………」
携帯を出して、ミオに連絡しようとする。でも、手が止まる。
ミオの家の用事とは、法事。今電話かけても、きっと電源切ってる。
じゃあ…………
カチ、カチ、と携帯の画面に羅列された名前を見る。
「……………あ………」
大和。
ミオの他に、先輩のことを知ってるのは、大和だけだ。
私は縋る思いで大和に電話をかけた。
*
大和は、私が座り込んでいた場所からすぐ近くの、コンビニにいた。
「色葉!」
走ってきてくれた大和に、私は深く安堵した。
「……や、やまとぉお……」
目は涙目で、少し腫れててだいぶひどい顔なんだろーな……。
あまりの私の様子に、さすがの大和もたじろいだ。
「…………あー、えっと、とりあえずさ、移動しよっか?」
大和が指差したのは、近くの小さな公園だった。