眠り姫はひだまりで
*
「あー…それは…キツイね」
「………っひっく」
懸命に涙を止めながら、大和に話すと、大和は静かに聞いてくれた
「つーか…キツイどころじゃない。最低野郎じゃん」
ブランコを揺らしながら、大和を見ると、珍しく怒っている。
キィ…
ブランコをゆっくりこぐと、ジャリジャリと靴が砂にこすれる音がする。
「………………ね……大和ぉ」
「…………ん?」
横目で私を見る大和。
私は思い切り地を蹴ってブランコをこいだ。
「私ってそんなつまんない?」
こぎながら話すと、今の自分の顔が大和に見えにくい。
「…………顔だけ、とか……さ」
言われて。
そりゃ、顔だけとか言われるほどの顔ではないと思う。
芸能人とかに比べたら、私なんか下の下。
でも、顔顔言われるぐらいは…って、自惚れていいのかな?
そこは、………喜んでおくとして。
でも………顔だけ、って。
「確かに、面白いことも言えないしさ。すごく気が利くだとか、特に目立った特技があるわけでもないし…」
キィ………
ジャリ、と砂が靴とこすれる。
こぐのをやめて、大和を見る。