眠り姫はひだまりで




「あー…それは…キツイね」


「………っひっく」


懸命に涙を止めながら、大和に話すと、大和は静かに聞いてくれた


「つーか…キツイどころじゃない。最低野郎じゃん」


ブランコを揺らしながら、大和を見ると、珍しく怒っている。

キィ…

ブランコをゆっくりこぐと、ジャリジャリと靴が砂にこすれる音がする。

「………………ね……大和ぉ」

「…………ん?」


横目で私を見る大和。
私は思い切り地を蹴ってブランコをこいだ。 

「私ってそんなつまんない?」


こぎながら話すと、今の自分の顔が大和に見えにくい。


「…………顔だけ、とか……さ」

言われて。


そりゃ、顔だけとか言われるほどの顔ではないと思う。

芸能人とかに比べたら、私なんか下の下。

でも、顔顔言われるぐらいは…って、自惚れていいのかな?

そこは、………喜んでおくとして。

でも………顔だけ、って。

「確かに、面白いことも言えないしさ。すごく気が利くだとか、特に目立った特技があるわけでもないし…」

キィ………

ジャリ、と砂が靴とこすれる。

こぐのをやめて、大和を見る。


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