眠り姫はひだまりで

私の右手で、風船がぷかぷか揺れていた。


「………ちょっと…行ってくる」


「…え?…えっ色葉ちゃん!?」


朔くんから離れ、人ごみのなかに紛れる。

なんだかああいうの見ると、 放っておけないっていうか。

もしかしたら、前のほうから聞こえてくる、純くんを呼ぶ女の子の声から、逃げたかったのかもしれない。


私は、男の子のもとへ走った。






*ミオside*


「み…ミオちゃんっ」


寺島が、やけに困った顔してこっちに来た。


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