眠り姫はひだまりで
私の右手で、風船がぷかぷか揺れていた。
「………ちょっと…行ってくる」
「…え?…えっ色葉ちゃん!?」
朔くんから離れ、人ごみのなかに紛れる。
なんだかああいうの見ると、 放っておけないっていうか。
もしかしたら、前のほうから聞こえてくる、純くんを呼ぶ女の子の声から、逃げたかったのかもしれない。
私は、男の子のもとへ走った。
*
*ミオside*
「み…ミオちゃんっ」
寺島が、やけに困った顔してこっちに来た。