眠り姫はひだまりで


「……あ、あのさ。嫌だったら、いいんだけど」

「…う、うん」

純くんの、なんだか純くんぽくない顔に、どきどきとする。

純くんは、少しだけ顔を赤くして、口を開いた。


「…もう、キスとかは、しないから。また、空き教室行ってもいい?」


……えっ……

私が驚いて何も言えないでいると、純くんは私から目を逸らしながら、「嫌だったら嫌って言って」と言った。

…そ、そんな。


「い、嫌なわけないっ!」


思わず大きな声が出て、辺りに私の声が響いた。

ひやぁ、恥ずかしい!

私を見て、純くんが「声デカイ」って笑ってる。


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