眠り姫はひだまりで


「うそっ、佐伯くんいるじゃん!」

「やったぁ、一気にやる気でたぁー!」

なかには、飛び上がってる女の子までいる。

ま、まぁ、やる気でたんなら、よかったのかな…?


「…僕、なにかしたのかな…」

女子たちの姿に、困ったように眉を下げる大和に、「違うよ」と美海ちゃんが笑う。

「佐伯くん、人気だねえ」

…どうやら美海ちゃんは、あんまり大和に興味がないみたい。

「…そー、なのかな…」

微妙な顔をして、大和が周りを見渡す。

さっきの女子の叫びに驚いて、なんだか室内の空気が変なかんじになってた。

…あららぁ….

「…き、気にすることないよ、大和」

「そーだよー」

私と美海ちゃんの言葉に、大和は「そーかな」とやっぱり困ったよーに笑った。


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