眠り姫はひだまりで


大和が近くの男子のところへいくと、美海ちゃんが「バザー委員やばいねぇ」と言って苦笑いを浮かべた。

「やばいって?」

「目の保養がたーくさん。佐伯くんもいるんだったら、女子が喜ぶのもわかるし。知ってる?二組の委員」

二組……

純くんのクラスだからか、淡い期待が生まれて、いやいや、と心の中で首を振る。

そんないい話、ないない。

「知らないー、誰?」

確かに周りを見渡すと、可愛い女の子も多くて、男子も嬉しいだろうなぁ、なんて思ってたら。


「男子、あの水野くんだよ。やばくない?」


…うっそ。


「そ、そりゃ、やばいねぇ…………」

まさかの、まさかだぁ。

びっくりして、心臓が大きく鳴り始める。

思わず口の端が別の意味で引きつり出して、ちょっと困る。


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