眠り姫はひだまりで
「まだ来てないみたいだけど、水野くんが来たら絶対女子騒ぐよねえ。うちはあんま興味ないけど、目の保養だわ」
…美海ちゃんは、サッパリしてるなぁ。
「…そーだねえ。うん………」
一気に、頭の中がもうすぐ来るであろう王子様でいっぱいになる。
もう興味がなくなったのか、美海ちゃんの話す話題が別の方向へ行くけど、私は扉のほうが気になって仕方ない。
どきどきしながら美海ちゃんと話していると、ガラガラ、と扉が開いた。
「純だぁーーーーっ!!」
私が目を輝かせたと同時に、女子のひとりが叫ぶ。
それに続いて、他の女子もきゃいきゃい飛び上がりはじめた。
「学年一の王子が来たね」
相変わらず反応が薄い美海ちゃんの隣で、その姿を凝視する私。
純くんは、周りの男子に笑いかけていた。