眠り姫はひだまりで
ありがとう、葉くん。
そしてごめんなさい。
ここまで連れてきてくれたのに、嘘ついちゃった。
「嘘つくのって、疲れるなぁ………」
呟きながら、資料室へ入る。
そして、いつも通り私は、空き教室へと向かった。
*
「よ、いしょ………」
空き教室の床に足を置いて、教室全体を見回す。
「…………………………」
じーーーーっと。
ねんっっいりに!
あのキス泥棒、いる!?
いませんよーに………!!
そろ~っとロッカーに行って、ばっと毛布を取り出す。
毛布を持って机ベッドに向かう間、ずっと周りをキョロキョロ見回した。
だって、わかんないもん。
ばばっといきなり出てくるかもしれないし……………!!
でも……………大丈夫そう?
いないっぽい…………?
机ベッドに横になりながら、それでも周りを見渡すけど、誰もいない…………?