Love Prince―18歳の初恋―【完】
「……9時1分です」



「…え?」



「9時を、過ぎました」



「……」



私は脱力したように、壁に凭れた。

身内だけと言いつつ、岳と亜果利に加え、2人のご両親。

アザミさんたちにも、参列して貰ってる。

出ないわけにいかない為、私はみんなの前に出た。



「癒杏…」



パパ(貞包)は私を見て、今にも泣きそう。

その中、私はただ、扉を見つめた。

チャペル内は静まり、みんなも扉が開くのを、待ってくれてる。



「…あの馬鹿」



パパ(矢田)の一人言が響く。

けど、参列者専用の入り口から、龍介さんと陵介君が慌ただしく入って来て、私に向けて、腕で丸を作った。
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