VALEN-TINE
「今日はうっさいのいないの?」

あたしはレジにいるともとものお母さんに話しかけた。
うるさいの、とはともとものこと。

ともともはちっさい頃からよく遊んでて、
結構仲もいいし、そこそこは気も合う。
けど男だし、本当は名前「室井 朋」だし。

いや、名前は関係ないんだけど、やっぱり男の子だし、
気が合わない?
ん~話が合わなくなるのは当然でして・・・。
って、なんなんだこれ?!

あたしはこんがらがった頭を、もう1度落ち着けた。

「今はね、奏と遊んでるわよ?もう暗くなるってのに」

「本当だねぇ」

「奏も大きくなったわよ、よかったらみていけば?ひなた」


ともとものお母さんに誘われたけれど、
ちょっと悩んですぐに断った。

そしてお決まりのピーチジュースを片手に、
お金を払い、
あたしはコンビニを出た。
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