VALEN－TINE

「あっねぇちゃん、コーラぐらいしかないけど」

哉多はさっとあたしに言った。
あたしはしかめっ面をして、コンビニにいくと哉多に告げた。
正直、コーラは大嫌い。
しゅわしゅわってするし、口の中痛いし。
でも、礼花とか茅莉乃とか、大好きだよなぁ。

まぁ趣味なんか合わせなくてもいいし♪

あたしは何も考えず、もうすぐ真っ暗闇にのみこまれそうな夜の外に出た。
夜といっても、まだ夕方かな。
あたしはいつものコンビニめがけて歩いた。
街頭がついている、そこそこ都会な町並み。
そこにいくつも並ぶ、コンビニ。
その中であたしは、いつも気前のいいコンビニを使う。
それが、いとこのともともの家。


「いらっしゃいませー」


ともとものお母さんの威勢のいい声にあたしは元気をもらった。
なんて、いっつもここに来て元気とかもらっちゃってる、元気泥棒。
どんなんだよ、元気泥棒。