十五の石の物語
「それで…その案内人とやらはどこにいるのです?」

「私がその案内人です。」

「……ほぅ…では、あなたはこの森にお詳しいのですね。」

「そう言えるでしょうね。」

「案内をお願い出来ますか?」

「それは構いませんが、なぜあなた方はこの森へ?」

「それは……」

答えようとしても、一体なぜこの森の中へ来たのかが私にはまるで思い出せなかった。



(私達は……『私達』?
…そうだ、私には連れが……サリー…!
サリーはどうなったんだ?!)



「あ!…あの、連れの女性は無事でしょうか?」

「ご安心下さい…あの方なら隣の部屋で眠っておいでですよ。」

「良かった……」

ホッとした瞬間、私は強い眠気に襲われた。







私は何かわからないが、とても良い匂いで目を覚ました。



「お目覚めですね?起きられますか?」

昨日の男に声をかけられ、私はゆっくりと上体を起こす。
めまいもおさまり、もうほとんど元の体調に戻ってるように感じられた。
そして、今ひどく空腹だということも実感した。

私は案内人に連れられ、ゆっくりと食堂へ向かう。
そこには温かい湯気を放つスープとパンとサラダのようなものが用意されていた。



「お口にあえば良いのですが…なにぶん、普通の人間の食事を作るのは滅多にないことなので…」



(また「普通の人間」か…)

この男がおかしな事をいうのは、これで二度目だった。
そのことに小さな不快感を感じながら、私は食卓に着いた。
そこにサリーの姿はない。



「連れの女性はどこへ?」

「あの方は、まだ眠ったままなのです。」



(まだ眠ったままだと…?)

私は心配になり、サリーの様子を見たいと案内人に頼んだ。

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