紺色夜話
少し言いにくそうな志郎に
「もうそうな時間? ゴメンね志郎君、もう帰るから」
と銀子は立ち上がります。




それを聞いた勝平はツカツカと志郎の側に行くと
「“志郎君”? 先輩いつの間に?」
と小声で言います。




「やっぱりきたか……。
 お前が来る前、話してたら同い年だってわかって、ただそれだけだよ」




拗ねた顔の勝平に
「お前、ヤキモチ妬いてる間にアイツと銀子さん帰るぞ、いいのか?」
と志郎は世話を焼いてしまいます。




バッと振り返った勝平は
「銀子さん、送ります」
と言うと
「俺が送る」
と真治が睨みます。




志郎は帰り仕度をしながら
「喧嘩するなよ、俺ついて行こうか?」
と心配してしまうのでした。
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