10センチメートル☆ロマンス




 泣きじゃくる私の手を、蒼くんはそっと繋いできた。



 私がびっくりして蒼くんを見ると、


「……暑いから早く図書館行こう」


 そう言って、ゆっくり歩き出した。




 手は、繋いだまま。


 彼の耳は真っ赤だ。







「あら、都築くん久しぶりねぇ。

 本もう読み終わったの?」



 あの受付のおばさんが、優しい笑顔で話しかけてきた。


 蒼くんはただ頷くだけで、スタスタといつもの席に向かう。

 私はおばさんに会釈して着いて行った。





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