10センチメートル☆ロマンス




「俺が男だって事、忘れてたろ」


 そう言ってチョップをしてきた。



「いたっ

 〜〜っ ごめん、なさいぃぃ!」


 見上げると佐伯くんはニッと笑って、先を歩いて行く。

 今まで苦手だった彼が、そうじゃなくなった気がした。



「月島ぁ!
 置いてくよ〜?」

「待って!」


 パタパタ走りながら、私は佐伯くんの元へ走って行った。









「佐伯〜やるじゃん♪」

「あら〜、葵ちゃんもやるじゃない♪
 ねぇ?蒼ちゃん」


「………」

「ふっ

 とりあえずお店に戻ろうか?」






 ――なんてやり取りがあったなんて……


 私は、全く知らなかった。




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