わたしだけを見てほしいのに
終点の駅に着くと
周囲の高校生はみんな
電車から降りて急ぎ足になる

私は悠斗くんと手をつないで
改札まで歩いた。

悠斗くんの学校は、この先
バスに乗り換える。
私と映奈は自転車だから
ここがお別れ地点だった。

「香乃子、じゃーね。」
「うん。帰りは何時の電車?」
「メールするよ。」
「わかった。バイバイ。」

手を振って見送ると
映奈と一緒に駐輪場へ向かった。

まだ暑い中を
久々に自転車をこいで
学校へ向かった。
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