わたしだけを見てほしいのに
「そうなんだぁ・・・。」
「妹の部屋もあるけど、最近は
ほぼ俺一人の家みたいになってる。」
「いいな。一人暮らしみたい。」
「でも、溜まり場にされまくってて
いつも誰かしら居る感じ。
今日は居ないけどね。」

502の部屋の前で
悠斗くんが鍵を開けた

「どうぞ、
マジ散らかってるよ。」
「お邪魔します。」

部屋はがらんとしていて
キッチンとつながってるリビングと
ほかに部屋が二つあるようだった

リビングを見渡す
キッチンには冷蔵庫もなくて
変わりにギターのアンプとか
コードとかが転がっていた

「ここ広いから、けっこう練習に
使ってるんだ。
あんま大きい音出せないけど。」
「ご飯は、下で食べるの?」
「そう。洗濯も下に持って行く感じ。」

悠斗くんの意外な生活に
びっくりした。

「こっち、ソファあるから。」

リビングの奥の方のもう一部屋に
悠斗くんが入っていく。

< 67 / 202 >

この作品をシェア

pagetop