- π PI Ⅱ -【BL】
今日は三好のアパートに泊るからいいけど、明日っからどうしよう。
周のマンションにはまだ帰りたくないし…
でも帰らないと、また陣内が入り込むかもしれない。
部屋に入り込むならまだしも、俺が怒ってるばっかで周が呆れて陣内にいってしまったら…
―――どうすればいいんだろ…
なんて考えながらも、いつの間にかうとうと…
―――
――
ひやりと冷気を感じて、意識が現実へと戻りつつあるとき…
ふと、顔の辺りで何かの気配を感じた。
うっすらと目を開けると、三好の腕がすぐ近くにあった。
「?どーした…?」目をこすりながら聞くと、
「わり。起こしちまった?窓…閉めようかと思って。お前寒そうだったから」
と、俺の向こう側にある小さな窓へ手を伸ばしていた。
狭い部屋だからベッドからちょっと身を乗り出せば手が届く範囲だ。
そんなんだから三好の体がすぐ近くにある。
「わりぃな。気にしなくていいよ」欠伸を漏らしながら、それでも冷えた肩をあっためるように布団をちょっと引き上げると、
予告もなしに三好の掌が俺の耳元に降りてきた。
びっくりして目を開いていると、
「お前肌、冷めてぇじゃん。風邪引くぞ?」なんて軽く笑う。いつの間にか三好はベッドから身を乗り出して俺を覗き込んでいた。
「あ…うん…」
曖昧に返して目を開いていると、三好の顔がすぐ近くに迫ってくる気配を感じた。