Hamal -夜明け前のゆくえ-
*
一緒に連れて行ってとも言えない。
今どこでなにをしているのかと連絡もできない。
夜を迎えても、朝を迎えても、祠稀を待つことしかできない僕の日常に変化があったとすれば、行動範囲が少し拡がったくらいだった。
……まだ帰ってこない。
中華飯店で夕食を取って『家』に寄った僕は、吸い殻の量も位置も4日前から変わっていない灰皿を見て溜め息を吐く。
昨日も来たけど、4日も経てば戻ってくるかと思っていた。
“戻らない日”は終わったばかりなのに、どこに行ったんだろう。
ソファーに凭れかかりながら、打ち放しの壁に囲まれた仄暗い部屋に目を閉じる。
今日も朝までいようかな。することもないし、宿題持ってくればよかった。
眠い……。満腹感からくる睡魔に横たわろうとして――
「毎度どうもー! クロ'sデリバリーでっす!」
――頭上に手を掲げたクロが、現れた。
横たわり損ねて固まる僕などお構いなしに、クロは部屋に入ってくる。
「あれアレあっれぇ? なーんでパーカーちゃんがいて、しぃ君がいないの?」
「……」
「せぇ~っかく頼まれてたもの持ってきたのに」
クロはB4サイズの茶封筒で顔を仰ぎながら部屋を見渡し、隣に腰掛けてきた。