Hamal -夜明け前のゆくえ-




一緒に連れて行ってとも言えない。


今どこでなにをしているのかと連絡もできない。


夜を迎えても、朝を迎えても、祠稀を待つことしかできない僕の日常に変化があったとすれば、行動範囲が少し拡がったくらいだった。



……まだ帰ってこない。


中華飯店で夕食を取って『家』に寄った僕は、吸い殻の量も位置も4日前から変わっていない灰皿を見て溜め息を吐く。


昨日も来たけど、4日も経てば戻ってくるかと思っていた。


“戻らない日”は終わったばかりなのに、どこに行ったんだろう。


ソファーに凭れかかりながら、打ち放しの壁に囲まれた仄暗い部屋に目を閉じる。


今日も朝までいようかな。することもないし、宿題持ってくればよかった。


眠い……。満腹感からくる睡魔に横たわろうとして――


「毎度どうもー! クロ'sデリバリーでっす!」


――頭上に手を掲げたクロが、現れた。


横たわり損ねて固まる僕などお構いなしに、クロは部屋に入ってくる。


「あれアレあっれぇ? なーんでパーカーちゃんがいて、しぃ君がいないの?」

「……」

「せぇ~っかく頼まれてたもの持ってきたのに」


クロはB4サイズの茶封筒で顔を仰ぎながら部屋を見渡し、隣に腰掛けてきた。

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