さあ、俺と秘密をはじめよう


女の子と昌太って人は私の方に振り向いた。

昌太さんは付け足したように女の子に言う。

「もし、陽が誘拐していたら友として警察に突き出すから安心しろ」

フォローになっていないフォローをする。

「昌太・・・それ明らかにフォローになってない気がするんだが・・・」

「そうね、昌太の言うとおりだわ。警察にはあたしが突き出すから!」

女の子は納得し、私に近づく。


「おい、それって俺が誘拐した前提なのか!?」

黒崎君の言葉は女の子には聞こえておらず、

「ねえ、あなた大丈夫だった?」

心配そうに聞いてくる。

(うわぁ…綺麗な子)

女の子はとても綺麗な子だった。

すらりとした体に、肌は白くてニキビは一つもなく、茶色い瞳は大きくてちょっと猫目だけどそこが全体の顔のバランスを良くしている。

セミロングの黒髪はすらっとストレートで綺麗そうだ。

男子にモテそうな子だと一目で確信した。

(この女の子は黒崎君の彼女かな?)


見たところ親しそうに話していたのでどうやらこの5人は黒崎君の友人みたいだ。



「えっと・・・はい・・・大丈夫です」

女の子と話したのは初めてだったからかなり緊張したそれが例え応答でも。

周りは静かになり、一斉にはもった。

『うわああー綺麗な声!』

あまりにも揃えて言ってきたのでびっくりする。


「あーきーらー、あんな子どこで発掘したんだよ!?」

「発掘って・・・あいつは化石かなんかかよ・・・」

「確かに綺麗で可愛い声ですねー」

うんうんと周りは頷く。


そして、一斉に私の周りに集まり、聞いてくる。

(一体何なの!?)

周りの反応や行動に戸惑う私は黒崎君に助け船を出した。


黒崎君は周りの子たちに割って入りこみ、私の手を引いて、助け出してくれた。










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